三味線を数えるとき、
「一本でいいのかな?」
「一挺って書いてあるけれど、何と読むの?」
「一棹という数え方もあるみたいだけど、どれが正しいの?」
と迷ったことはありませんか?
三味線は、普段それほど数える機会が多くない楽器なので、いざとなると数え方がわかりにくいですよね。
三味線は「一挺(いっちょう)」「一丁(いっちょう)」「一棹(ひとさお)」などと数えます。 複数の数え方があり、辞書や数え方資料でもこれらが紹介されています。
この記事では、それぞれの違いや読み方、どれを使えばよいのかを、初めて知る方にもわかりやすく紹介します。
「一本」「一台」「ひとつ」ではいけないの?という疑問についても見ていきましょう。
三味線の数え方は「一挺・一丁・一棹」

まずは、三味線の主な数え方を一覧で見てみましょう。
| 数え方 | 読み方 | 覚え方のポイント |
|---|---|---|
| 一挺 | いっちょう | 三味線を数える代表的な助数詞 |
| 一丁 | いっちょう | 「挺」の代わりに使われる表記 |
| 一棹 | ひとさお | 三味線の「棹」にちなんだ数え方 |
三味線にはひとつだけではなく、いくつかの数え方があります。 大辞林の助数詞一覧でも、三味線は「一棹」「一挺」とされています。
そのため、「一挺と一棹、どちらが正しいの?」と迷っても心配はいりません。
それぞれの意味を知っておくと、使い分けがぐっとわかりやすくなります。
「一挺」は「いっちょう」と読む
「挺」という漢字は見慣れない方も多いかもしれません。
三味線を数える場合は、
一挺(いっちょう)
と読みます。
「挺」は、三味線のほか、槍や鍬、ろうそく、墨など、細長いものを数える助数詞として使われてきた言葉です。
「一挺=いっちょう」とセットで覚えておくとわかりやすいですね。
「一丁」も読み方は「いっちょう」
「挺」ではなく、
一丁(いっちょう)
と書かれていることもあります。
「丁」は「挺」の書き換え字として辞書にも掲載されています。
「一挺」と「一丁」は読み方が同じなので、文章の中で「一丁」と書かれていても、「いっちょう」と読みます。
「一棹」は「ひとさお」と読む
もうひとつ覚えておきたいのが、
一棹(ひとさお)
です。
三味線には、胴から長く伸びている「棹(さお)」と呼ばれる部分があります。
この「棹」という名称から、三味線そのものを「一棹」と数えるようになったとされています。
「一挺」と「一丁」は何が違うの?

「一挺」と「一丁」は同じ「いっちょう」と読むため、
「漢字が違うだけ?」
「どちらを使えばいい?」
と気になりますよね。
本来の助数詞は「挺」
「挺」は、三味線などの細長いものを数えるときに使われる助数詞です。
辞書では「挺・梃・丁」が「ちょう」という助数詞として掲載されており、「丁」は書き換え字と説明されています。
そのため、三味線の数え方について調べると、
- 一挺
- 一丁
の両方を見かけることがあります。
「丁」と書かれていても間違いとは限らない
「三味線一丁」と書かれているからといって、すぐに誤りと考える必要はありません。
数え方辞典でも、三味線について「一挺」「一丁」の両方が掲載されています。
初心者の方は、まず「一挺」と「一丁」は、どちらも“いっちょう”と読むと覚えておけば十分です。
「一挺」と「一棹」はどう違う?

次に気になるのが、「一挺」と「一棹」の違いです。
どちらも三味線を数えるときに使われますが、言葉の成り立ちが少し違います。
「挺」はものを数える助数詞
「挺」は、三味線をはじめとする細長い道具などを数えるための助数詞です。
つまり、
「三味線が一挺あります」
というように、数を表すために使います。
「棹」は三味線の部分の名前
一方、「棹」はもともと三味線そのものを指すためだけの言葉ではありません。
三味線の胴から伸びている、細長い部分を「棹」といいます。国立劇場の文化デジタルライブラリーでも、三味線の製作工程で「棹」という名称が使われています。
そこから、三味線を「一棹」と数える言い方があります。
「棹=三味線の長い部分」と覚えると、なぜ一棹と数えるのかイメージしやすいですね。
一挺・一丁・一棹のどれを使えばいい?

数え方が3つもあると、
「結局どれを使えばいいの?」
と思ってしまいますよね。
普段の文章で迷った場合は、まず「一挺(いっちょう)」を覚えておくとわかりやすいでしょう。
ただし、「一丁」や「一棹」も三味線の数え方として掲載されているため、どれかひとつ以外はすべて間違い、というわけではありません。
迷ったら「一挺」を覚えておく
三味線の数え方を初めて覚えるなら、
一挺(いっちょう)
から覚えるとシンプルです。
そして、
- 「一丁」も読み方は「いっちょう」
- 「一棹」は「ひとさお」
とあとから加えていくと、混乱しにくくなります。
「一棹」という表現も覚えておくとわかりやすい
三味線について書かれた文章では、「棹」という言葉自体がよく登場します。
細棹・中棹・太棹といった言葉もあるため、「一棹」という数え方を知っておくと、三味線について書かれた文章も読みやすくなります。三味線の棹には細棹・中棹・太棹という区分があります。
三味線が2つ・3つあるときはどう数える?

「一挺」はわかっても、
「2つなら何と言うの?」
「一棹の次は?」
と迷うこともあります。
「挺・丁」の場合は、次のように読むとわかりやすいです。
| 数 | 挺 | 丁 |
|---|---|---|
| 1 | 一挺(いっちょう) | 一丁(いっちょう) |
| 2 | 二挺(にちょう) | 二丁(にちょう) |
| 3 | 三挺(さんちょう) | 三丁(さんちょう) |
| 4 | 四挺(よんちょう) | 四丁(よんちょう) |
一方、「棹」では「一棹(ひとさお)」「二棹(ふたさお)」といった読み方が見られます。実際の文献にも「一棹(ひとさお)」「二棹(ふたさお)」という用例があります。
「棹」は数字によって読み方に揺れが見られることもあるため、無理にすべて暗記する必要はありません。
日常的に使うなら、まずは「一挺・二挺・三挺」を覚えておくと使いやすいでしょう。
三味線の数え方を例文で確認しよう
実際の文章にすると、使い方がイメージしやすくなります。
「一挺」を使った例文
- 舞台には三味線が一挺用意されています。
- 演奏に使う三味線を二挺並べました。
- 三挺の三味線が並んでいます。
「挺」は三味線を数える助数詞として辞書に掲載されています。
「一丁」を使った例文
- 三味線を一丁用意します。
- 二丁の三味線が置かれています。
「一丁」も「一挺」と同じく「いっちょう」と読みます。
「一棹」を使った例文
- 三味線を一棹用意しました。
- 二棹の三味線があります。
「棹」という文字を見ると少し難しく感じますが、三味線の部分の名前と結びつければ覚えやすいですね。
三味線を「一本」「一台」「一個」と数えてもいい?

三味線を見たとき、形からつい「一本」と言いたくなる方もいるのではないでしょうか。
普段の会話では「三味線がひとつある」のように言っても、何を伝えたいのかは十分わかります。
ただ、三味線に使われる助数詞として辞書などに掲載されているのは、「挺・丁・棹」などです。
「一本」はわかりやすいけれど代表的な数え方ではない
三味線は細長い形をしているので、「一本」と言いたくなるのも自然です。
ただし、三味線らしい数え方を使いたい場合は、
「一挺」または「一棹」
と覚えておくとよいでしょう。
「一台」はあまり使わない
楽器というと、ピアノなどを「一台」と数えることがあります。
一方、三味線については、辞書や助数詞資料では「挺」「棹」などの数え方が示されています。
そのため、数え方を尋ねられた場面では「一挺」と答えるほうがわかりやすいでしょう。
「ひとつ・ふたつ」なら会話では伝わる
日常会話なら、
「三味線がひとつ置いてあるよ」
と言っても、意味がわからなくなることはほとんどないでしょう。
助数詞を知らないからといって、会話ができないわけではありません。
きちんとした数え方を知りたい場面では「一挺」「一棹」を使う、と分けて考えると気楽です。
なぜ三味線は「挺」で数えるの?

「どうして三味線だけ“ちょう”なの?」
と不思議に思いますよね。
「挺(ちょう)」は三味線だけに使われる助数詞ではありません。
辞書では、三味線のほかに槍・鋤・鍬・ろうそく・墨など、細長いものを数える際に使うとされています。
三味線も細長い棹を持つ楽器なので、「挺」で数えるもののひとつとして覚えるとイメージしやすいでしょう。
三味線の「棹」ってどこの部分?

「一棹」という数え方を理解するなら、三味線の「棹」について少し知っておくとわかりやすくなります。
棹は胴から伸びている長い部分
三味線を見ると、本体の胴から上に向かって細長い部分が伸びています。
この部分が「棹(さお)」です。
ギターでいうネックに近い部分をイメージするとわかりやすいでしょう。
細棹・中棹・太棹がある
三味線の棹には、
- 細棹(ほそざお)
- 中棹(ちゅうざお)
- 太棹(ふとざお)
といった種類があります。
「津軽三味線の太棹」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
こうした「棹」という名称が、三味線を「一棹」と数えることにもつながっています。
三味線の糸や撥はどう数える?

三味線本体だけでなく、
「糸はどう数えるの?」
「撥(ばち)は?」
と気になる方もいるかもしれません。
三味線の糸は「一本」
三味線の糸は「一本、二本」と数えることができます。
数え方資料では、三味線の糸について「一本」「一筋」という数え方が紹介されています。
三味線本体は「一挺」、糸は「一本」と、同じ楽器でも部分によって数え方が変わるのがおもしろいところですね。
琴や尺八など、ほかの和楽器はどう数える?

和楽器には、三味線以外にもそれぞれ特徴的な数え方があります。
たとえば、代表的なものをまとめると次のようになります。
| 和楽器 | 数え方の例 |
|---|---|
| 三味線 | 一挺・一棹 |
| 箏 | 一面 |
| 尺八 | 一管・一本 |
| 太鼓 | 一張・一面など |
箏は教育芸術社でも「一面、二面」と数えることが紹介されています。尺八は「一管」「一本」、太鼓には「一張」「一面」などの数え方があります。
和楽器だからすべて同じ助数詞を使うわけではないのですね。
三味線の数え方についてよくある疑問
最後に、迷いやすいポイントを簡単にまとめます。
三味線は何と数えるの?
三味線は、「一挺(いっちょう)」「一丁(いっちょう)」「一棹(ひとさお)」などと数えます。
初めて覚えるなら「一挺(いっちょう)」から覚えるとわかりやすいでしょう。
「一挺」は何と読む?
「いっちょう」と読みます。
「挺」という漢字そのものには「てい」という読みもありますが、三味線を数える助数詞として使う場合は「ちょう」です。
「一棹」は何と読む?
「ひとさお」と読みます。
「棹」は三味線の長い部分の名称でもあります。
「一丁」と書いてもいい?
「丁」は「挺」の書き換え字として辞書に掲載されており、三味線の数え方として「一丁」を載せている資料もあります。
そのため、「一丁」という表記を見かけても不思議ではありません。
津軽三味線も数え方は違うの?
津軽三味線は太棹を使う三味線として知られていますが、「太棹だから数え方がまったく別になる」というものではありません。三味線の数え方として「挺」「棹」などを覚えておけばよいでしょう。三味線には細棹・中棹・太棹という種類があります。
まとめ|三味線の数え方は「一挺・一丁・一棹」
三味線の数え方は、普段聞き慣れない言葉が多いため、最初は少し難しく感じるかもしれません。
最後にもう一度まとめます。
- 三味線は「一挺(いっちょう)」と数える
- 「一丁(いっちょう)」という表記もある
- 「一棹(ひとさお)」という数え方もある
- 「棹」は三味線の長い部分の名称
- 迷ったときは、まず「一挺=いっちょう」と覚えるとわかりやすい
- 「一本」「ひとつ」よりも、三味線ならではの数え方を知っておくと文章でも使いやすい
「挺」も「棹」も、普段はあまり目にしない漢字ですよね。
でも、「三味線一挺(いっちょう)」とひとつ覚えておくだけでも十分です。
さらに「一棹(ひとさお)」という言い方もあると知っておけば、三味線についての文章を読んだときにも迷いにくくなりますよ。

