「成績をおさめる」の正しい漢字は、「収める」です。
「優秀な成績を収める」「試験で好成績を収める」「大会で良い成績を収める」のように使います。
一方、「修める」は、学問や技術などを学んで身につける場合に使う漢字です。そのため、「学問を修める」「学業を修める」「所定の課程を修める」と表現します。
つまり、迷ったときは次のように考えると簡単です。
- 結果や成果を得た:収める
- 学問や技術を身につけた:修める
この記事では、「収める・修める・納める・治める」の違いを、例文や正誤表とともに分かりやすく解説します。
成績をおさめるの正しい漢字は「収める」

「成績をおさめる」と書く場合は、「成績を収める」が正解です。
「収める」には、成果や結果を手に入れるという意味があります。そのため、勉強やスポーツ、仕事などで努力した結果を表す「成績」と組み合わせるのが自然です。
国立国会図書館のレファレンス事例でも、辞書の用例として「予想以上の成績を収める」が紹介され、「成績をおさめる」には「収める」を使うと説明されています。詳しくは、国立国会図書館のレファレンス協同データベースで確認できます。
「成績を収める」の意味
「成績を収める」とは、勉強やスポーツ、仕事などに取り組み、その結果として一定の成果を得ることです。
単に活動を終えるという意味ではなく、努力によって評価や結果を得たことを表します。
例えば、次のように使います。
- 試験で優秀な成績を収めた
- 全国大会で好成績を収めた
- 営業部門で上位の成績を収めた
- 長年の研究によって大きな成果を収めた
「良い成績・好成績・優秀な成績」も収める
「成績」の前に付く言葉が変わっても、使う漢字は「収める」です。
- 良い成績を収める
- 好成績を収める
- 優秀な成績を収める
- 素晴らしい成績を収める
- 立派な成績を収める
「成績」は努力によって得られた結果を表すため、いずれも「収める」が適切です。
「成績を修める」が不自然な理由
「修める」は、学問や技術を学び、自分のものとして身につけることを表します。
しかし、「成績」は学んで身につける対象ではなく、学習や活動によって得られた結果です。そのため、一般的には「成績を修める」とは書きません。
- 成績を収める:結果を得る
- 学問を修める:知識を身につける
「学問を修めて、良い成績を収める」と並べると、違いが分かりやすくなります。
「収める・修める・納める・治める」の違い

「おさめる」には、主に「収める・修める・納める・治める」の4種類があります。
読み方は同じですが、それぞれ意味と使う場面が異なります。
| 漢字 | 主な意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 収める | 中に入れる、成果や結果を得る | 成績を収める、成功を収める |
| 修める | 学問や技術を身につける | 学問を修める、学業を修める |
| 納める | お金や品物を渡す、納入する | 税金を納める、商品を納める |
| 治める | 国や地域を統治する、乱れを鎮める | 国を治める、紛争を治める |
漢字ペディアでも、「収める」は成果を得る場合、「修める」は学問などを身につける場合、「納める」は本来入れるべき場所に入れる場合、「治める」は統治したり乱れを鎮めたりする場合に使うと整理されています。詳しくは、漢字ペディアで確認できます。
「収める」は成果や結果を得るときに使う
「収める」は、何かを中に入れる場合や、成果・結果を手に入れる場合に使います。
成績のほか、次の言葉ともよく組み合わせます。
- 成果を収める
- 成功を収める
- 勝利を収める
- 好結果を収める
- 写真に収める
- 所定の場所に収める
「成績を収める」では、努力の結果として成績を得たという意味になります。
「修める」は学問や技術を身につけるときに使う
「修める」は、学問や技術を学び、身につけることを表します。
- 学問を修める
- 学業を修める
- 技術を修める
- 武道を修める
- 所定の課程を修める
「修」という漢字には、学んだり自分を整えたりする意味があります。
なお、「資格を修める」という表現は一般的ではありません。資格は「取得する」、単位は「修得する」と書くのが自然です。
「納める」はお金や品物を渡すときに使う
「納める」は、お金や品物を決められた相手や場所へ渡す場合に使います。
- 税金を納める
- 会費を納める
- 授業料を納める
- 注文された商品を納める
- 年貢を納める
「納税」「納品」という言葉を思い浮かべると、使い方を覚えやすくなります。
「治める」は国や地域を統治するときに使う
「治める」は、国や地域を統治する場合や、乱れた状態を落ち着かせる場合に使います。
- 国を治める
- 領地を治める
- 地域を治める
- 紛争を治める
- 混乱を治める
「政治」や「統治」の「治」と覚えると区別しやすいでしょう。
「成績」と「学業・学問・課程」で漢字が変わる

「成績を収める」と「学業を修める」は、どちらも学校や勉強に関係する表現です。
そのため混同しやすいものの、表している内容は異なります。
「成績を収める」は結果を表す
「成績」は、試験の点数や順位、評価など、活動の結果として表れるものです。
そのため、「結果を得る」という意味を持つ「収める」を使います。
- 定期試験で良い成績を収める
- 模擬試験で優秀な成績を収める
- 全国大会で好成績を収める
- 営業成績で上位を収める
最後の例は、「営業成績で上位に入る」と言い換えることもできます。
「学問・学業・課程を修める」は習得を表す
学問や学業、課程は、学んで知識や技術を身につける対象です。
そのため、「修める」を使います。
- 大学で法律学を修める
- 学業を修めて卒業する
- 専門的な技術を修める
- 学校所定の課程を修める
「成績」と「学業」は似ていますが、成績は結果、学業は学ぶ活動そのものです。
迷ったときは「結果か習得か」で判断する
「収める」と「修める」のどちらを使うか迷った場合は、次の基準で判断できます。
結果や成果を得たなら「収める」
学問や技術を身につけたなら「修める」
例えば、試験の点数や大会の順位は「結果」なので、「成績を収める」と書きます。
一方、長期間勉強して知識を身につけることは「習得」なので、「学問を修める」と書きます。
「成績をおさめる」の正しい例文

「成績を収める」は、学業だけでなく、スポーツや仕事など幅広い場面で使えます。
ここでは、場面別の例文を紹介します。
学業・試験で使う例文
- 彼は定期試験で優秀な成績を収めた。
- 毎日の努力が実り、学年上位の成績を収めた。
- 彼女はすべての教科で良い成績を収めている。
- 留学中も熱心に勉強し、優れた成績を収めた。
- 生徒たちは全国模試で好成績を収めた。
「高得点を収める」という言い方よりも、「高得点を取る」「高得点を獲得する」のほうが自然です。
スポーツで使う例文
- チームは全国大会で好成績を収めた。
- 彼女は初出場の大会で優秀な成績を収めた。
- 選手たちは日頃の練習の成果を発揮し、素晴らしい成績を収めた。
- 日本代表は国際大会で過去最高の成績を収めた。
- 新人選手が主要大会で立派な成績を収めた。
試合そのものに勝ったことを強調する場合は、「勝利を収める」も使えます。
仕事・ビジネスで使う例文
- 彼は営業部門で優秀な成績を収めた。
- 新しい販売方法を導入し、前年を上回る成果を収めた。
- 同社は海外市場への進出で大きな成功を収めた。
- チーム全体の協力によって、期待以上の結果を出した。
- 彼女は新規顧客の獲得で社内上位の成績を収めた。
ビジネスでは、「成果を上げる」「実績を残す」「目標を達成する」と言い換えると自然な場合もあります。
表彰状・卒業証書での正しい使い方

「収める」と「修める」は、表彰状や卒業証書などの改まった文書でも使われます。
ただし、文書の目的によって選ぶ漢字が変わります。
表彰状では「優秀な成績を収める」
表彰状や賞状では、大会や学業で得た結果をたたえるため、「収める」を使います。
例文は次のとおりです。
あなたは本大会において優秀な成績を収められました。
よって、その努力と功績をたたえ、ここに表彰します。
ほかにも、次のように書けます。
あなたは日頃の努力により、学業において優秀な成績を収められました。
ここにその成果をたたえ、表彰します。
表彰の対象が成績や結果である場合は、「修める」ではなく「収める」を選びます。
卒業証書・修了証では「課程を修める」
卒業証書や修了証では、必要な学習内容を身につけたことを表すため、「修める」が使われます。
例文は次のとおりです。
本校所定の課程を修めたことを証します。
「所定の課程を修了したことを証します」と書かれる場合もあります。
実際の文面は学校や団体によって異なりますが、「課程をおさめる」と漢字で書く場合は「修める」が適切です。国立国会図書館のレファレンス事例でも、「成績を収める」に対して「所定の課程を修める」と整理されています。
文書によって漢字が変わる理由
表彰状と卒業証書では、伝えたい内容が違います。
- 表彰状:優れた結果を得たことをたたえる
- 卒業証書:必要な学問や課程を身につけたことを証明する
結果について書く表彰状では「収める」、学習の完了について書く卒業証書では「修める」と覚えましょう。
履歴書・自己PRでの使い方

「成績を収める」は、履歴書やエントリーシート、自己PRでも使用できます。
ただし、「良い成績を収めました」と書くだけでは、どの程度の実績なのかが伝わりにくくなります。
成績だけでなく数字や行動も書く
自己PRでは、成績や結果に加えて、具体的な数字や取り組んだ行動を添えることが大切です。
例えば、次の3点を組み合わせます。
- どのような課題があったか
- どのような行動を取ったか
- どのような成績や結果を得たか
結果だけでなく過程も書くことで、自分の工夫や強みが伝わりやすくなります。
履歴書・自己PRの例文
部活動では練習内容を見直し、県大会で2位という成績を収めました。
顧客ごとに提案内容を改善した結果、営業部門で上位10%の成績を収めました。
学習計画を毎週見直しながら勉強を継続し、学年上位の成績を収めました。
学業と部活動を両立し、3年間を通して優秀な成績を収めました。
数字や順位が分からない場合は、「目標を達成した」「前年を上回った」など、比較できる情報を加えると具体的になります。
間違えやすい「おさめる」の正誤例
「収める・修める・納める・治める」の使い方を、正誤表で確認しましょう。
| 表現 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| 成績を収める | ○ | 成績という結果を得るため |
| 成績を修める | △ | 一般的には「収める」が自然 |
| 成績を納める | × | お金や品物を渡す意味になるため |
| 成績を治める | × | 統治する意味になるため |
| 学問を修める | ○ | 学問を身につけるため |
| 学業を修める | ○ | 学習に励み、身につけるため |
| 所定の課程を修める | ○ | 課程を学び終えるため |
| 税金を納める | ○ | お金を支払うため |
| 商品を納める | ○ | 品物を納入するため |
| 国を治める | ○ | 国を統治するため |
| 成功を収める | ○ | 望ましい結果を得るため |
| 勝利を収める | ○ | 勝利という結果を得るため |
「収める」と「修める」で迷った場合は、結果なのか、身につけるものなのかを確認してください。
「成績を収める」の言い換え・類語

文章の中で「収める」を何度も使うと、同じ表現が続いて読みにくくなることがあります。
文脈に合わせて、別の言葉に置き換えましょう。
日常的で分かりやすい言い換え
「成績を収める」は、次のように言い換えられます。
- 良い結果を出す
- 好成績を残す
- 高い評価を得る
- 目標を達成する
- 上位に入る
- 良い点を取る
子ども向けの文章や会話では、「良い結果を出す」「良い点を取る」のような表現が分かりやすいでしょう。
ビジネス文書で使いやすい言い換え
仕事に関する文章では、次の表現も使えます。
- 成果を上げる
- 実績を残す
- 結果を出す
- 目標を達成する
- 業績を伸ばす
- 高い評価を得る
例えば、「営業で優秀な成績を収めた」は、「営業で高い実績を上げた」「営業目標を達成した」と言い換えられます。
同じ表現を繰り返さないための使い分け
次の文章では、「収める」が繰り返されています。
彼は試験で良い成績を収め、大会でも好成績を収めた。
意味は伝わりますが、次のように言い換えると自然です。
彼は試験で良い成績を収め、大会でも優れた結果を残した。
文章全体を読み返し、同じ言葉が近い位置で続いていないか確認しましょう。
「成績をおさめる」に関するよくある質問
「良い成績をおさめる」の漢字は?
「良い成績を収める」と書きます。
成績は努力によって得られた結果なので、「収める」が適切です。
「好成績をおさめる」の漢字は?
「好成績を収める」が正解です。
例えば、「チームは全国大会で好成績を収めた」のように使います。
「優秀な成績をおさめる」の漢字は?
「優秀な成績を収める」と書きます。
表彰状や学校のおたよりなどでも使える表現です。
「成果をおさめる」の漢字は?
「成果を収める」と書きます。
「収める」には、努力によって成果や結果を得るという意味があります。
「結果をおさめる」は正しい?
「結果を収める」でも意味は伝わりますが、文脈によっては少し不自然に感じられる場合があります。
次のように言い換えると自然です。
- 良い結果を出す
- 成果を収める
- 好成績を収める
- 望ましい結果を得る
「勝利をおさめる」の漢字は?
「勝利を収める」と書きます。
「試合で勝利を収めた」「選挙で勝利を収めた」のように使います。
「学業をおさめる」の漢字は?
知識を身につけ、学習をやり遂げる意味では、「学業を修める」と書きます。
「成績を収める」と混同しないように注意しましょう。
「課程をおさめる」の漢字は?
「所定の課程を修める」と書きます。
課程は、決められた内容を学んで身につけるものなので、「修める」を使います。
迷った場合はひらがなで書いてもよい?
日常的な文章では、「おさめる」とひらがなで書いても意味は伝わります。
ただし、ひらがなでは「結果を得る」「学問を身につける」「税金を支払う」などの違いが分かりにくくなります。
表彰状、履歴書、学校文書、ビジネス文書などでは、意味に合った漢字を使うほうが明確です。
「成績を収める」は英語で何と言う?
文脈によって表現が変わります。
- 良い結果を収める:achieve good results
- 学校で良い成績を収める:get good grades
- 優秀な成績を収める:achieve excellent results
- 大会で好成績を収める:perform well in a competition
学校の点数や評価について述べる場合は「get good grades」、活動全般の成果について述べる場合は「achieve good results」が使いやすい表現です。
まとめ

「成績をおさめる」の正しい漢字は、「成績を収める」です。
重要なポイントを整理します。
- 成績や成果、成功、勝利などの結果には「収める」を使う
- 良い成績、好成績、優秀な成績も「収める」と書く
- 学問、学業、技術、課程には「修める」を使う
- 税金や会費、商品には「納める」を使う
- 国や領地を統治する場合は「治める」を使う
- 迷ったときは「結果なら収める、習得なら修める」と判断する
- 表彰状では「成績を収める」、卒業証書では「課程を修める」と使い分ける
「成績」は努力によって得られた結果なので、「修める」ではなく「収める」を選びます。
同じ読み方の漢字でも、意味を確認すれば正しく使い分けられます。

